「ちょっとあなた、さすってちょうだい」プロが教える、心地よいさすり方
「ちょっとあなた、さすってちょうだい」
介護の現場では、痛みや不安などから、よくこのお願いをされます。
さすることで痛みや不安が和らぎ、笑顔が見られることもあれば、その逆の場合もあります。
私も介護職として働いていたときは、よくお願いをされました。
もともと、私は癒やし系の人間ではなく、とてもせっかちです。
忙しい中、さするので超高速。
「火がつくんちゃうか」というぐらいのスピードで(笑)
「あんた忙しいんやったら、もうええわ」と、時には怒られたりもしました。
そんな私も今や、さすりのプロ11年目です。
今日は、そんな私から、さすり方のコツをちょっとお教えします。
「ゆっくり優しく」って、具体的にどれくらい?
トリートメントやアロマトリートメントを学ぶと、テキストには、
「ゆっくり優しく触りましょう」
と書いてあることがあります。
では、「ゆっくり」って具体的にどれぐらいだと思いますか?
これは、根拠のある答えがあります。
皮膚には、一定の速度で撫でられたときに心地よいと感じる「C触覚線維」というものがあります。
「C触覚線維」が反応するのは、
秒速3cm~10cm。
その中でも、一番反応が良いのが秒速5cmとされています。
「秒速5cm」と言われても、ピンとこないですよね。
たとえば、20cmくらいのうでの距離なら片道4秒、往復なら8秒くらい。
このくらいのゆっくりしたペースです。
「え?そんなにゆっくり?」
と思いませんか?
私が昔やっていた「高速さすり」とは、えらい違いです(笑)
さすることは、ただ触れるだけじゃない
このC触覚線維が刺激を受けると、セロトニン神経が活性化し、脳内でセロトニンがつくられるといわれています。
セロトニンは「幸せホルモン」ともよばれ、不安の軽減や安眠、自律神経の調整などにも関わりがあります。
だからこそ、介護現場で質の高い「さすり」技術は、持っておいてほしい介護スキルのひとつです。
実は、さすり方にはまだまだコツがあります
今回ご紹介したのは、ほんの一部です。
さする場所や圧、温度など、介護現場で活かせる「触れ方」には、まだまだ知っておきたいポイントがたくさんあります。
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*参考文献 山口 創『人は皮膚から癒される』草思社、2022年



